2019年11月20日水曜日

飛騨市民病院の地域医療構想 再検証に向けて(2)(岐阜県飛騨圏域の動き)

<飛騨市民病院の地域医療構想 再検証に向けて
 岐阜県飛騨圏域の動きをまとめる>{ }は意見。

2019年6月21日 地域医療構想に関するワーキンググループ(第22回)
<参考資料3・・・(富山県~大阪府、35枚目)>
(1)高山赤十字病院と久美愛厚生病院で再編・統合協議事例あり。
(2)高山赤十字病院 476床(2017年) →420床(2025年)
(3)久美愛厚生病院 300床(2017年) →288床(2025年)
(4)高山厚生病院  100床(2017年) →56床(2025年)
(5)公立・公的病院 計
  1,272床(2017年) →1,160床(2025年)
 *他に民間病院で168床あり

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05350.html

2016年7月 岐阜県地域医療構想
<概要版>
「2 地域医療構想で定める事項
(1)入院患者数の推計
○国の推計方法に則り、2025 年(平成 37 年)における推計入院患者数を圏域ごとに推計。
(2)医療需要(必要病床数)の推計(目標参考値)
○推計入院患者数を基に、都道府県間や構想区域間において患者数を調整した上で、国の推計方法に則り、圏域内の機能区分ごと(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)の必要病床数を推計。
・現時点(平成26年7月1日時点)での本県の病床数は1万8千床強。
・2025 年の本県の必要病床数は1万5千床程度と推計。」

「3 2025 年の必要病床数の考え方
〇国ガイドラインに基づく 2025 年の必要病床数は、療養病床に入院している比較的軽症の長期療養が必要な高齢者について、将来は介護施設を含めた在宅等で医療を受けつつ療養することを前提とするなど、必ずしも本県の実態に即したものではないとの指摘もあるところ。

{飛騨市は医師不足、道路の凍結・積雪により訪問医療は困難と思われる。従って療養病床に入院している比較的軽症の長期療養が必要な高齢者数を介護施設以外の在宅とすることはできないのでは?}

〇このため、今回の構想での必要病床数は、国ガイドラインで示された人口推計等を代入した計算方法による参考値であると捉え、むしろ、適正で効率的な医療提供体制を確立するための施策に重点を置いて取り組む。

{国のガイドラインとは?}

〇具体的には、各医療機関の自主的な取組みを基本として、主に以下の2点の取組みを支援する施策を講じていく。
①急性期病床から回復期病床へ
 ・急性期病床が多く、回復期病床が不足しているため、適正なバランスを確保。
②慢性期病床から在宅医療等へ
 ・療養病床等の必要性を十分踏まえたうえで、介護施設を含む在宅医療等を充実。」

「5(5)飛騨圏域
【急性期医療】高山赤十字病院(久美愛厚生病院と連携)
(地理的要因) 県立下呂温泉病院(下呂市)、市立金山病院(下呂市)、飛騨市民病院(飛騨市)
【病院間連携】高山赤十字病院と久美愛厚生病院、県立下呂温泉病院と市立金山病院(同一市内)、久美愛厚生病院
と高山厚生病院(同一市内・設置主体同一)において、病院間の関係整理、位置づけについて研究、検討(地域医療連携推進法人制度の導入についても検討)」

<全体版>
(106ページ)
「・主として急性期を担う病院に加え、特定の診療分野や政策医療分野で貢献している病院や、地理的要因から急性期を担う病院(ただし、これらの病院においても院内の役割分担を検討します。)以外は回復期中心にシフトするものとします。ただし、各地域における救急医療体制の確保に配慮します。
療養病床を有する病院については、病床稼働率に加え、地域で果たしている医療機能の状況(医療区分2,3への対応状況等)を調査分析のうえ、介護老人保健施設等への転換を含めて、地域医療構想調整会議に分科会を設けるなど、必要に応じて新たな場を設けて検討するものとします。」

「・ 一般病床及び療養病床の病床利用率が概ね過去3年間連続して 70%未満の病院については、休床を含めた病床のあり方等を検討するものとします。」

(102ページ)
「■病院報告に基づく医療需要(平成 25 年度) 
・病床機能区分 入院患者数 [人/日] 
 高度急性期    79
 急性期          280 
 回復期          272 
 慢性期          337 
 合 計            968

・在宅医療等患者数 1,600 
 *在宅医療等で対応すべきとされている入院患者数174 人(推計)を含めて算出。
 *特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、その他医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所を含む。

・訪問診療患者数 814 」

(103ページ)
「現時点(平成27年3月31日)の飛騨圏域の病床数(一般病床、療養病床)は 1,434 床ですが、2025 年(平成 37 年)における必要病床数は 1,006 床と推計」

将来(2025 年)における入院患者数、必要病床数、在宅医療等の医療需要量
・医療需要(単位:人)、病床の必要量(単位:床)
 高度急性期 100(81)    108
 急性期   331 (296)   380
 回復期   330 (293)   326
 慢性期   210 (176)   192
 合 計     971(846)    1,006
 *( )は他の構想区域により供給される量を減したもの。
 *必要病床数は、国ガイドラインによる病床稼働率(高度
急性期:75%、急性期:78%、回復期:90%、慢性期:92%)を用いて算出。

{飛騨市民病院だけの機能区分ごと(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)の医療需要を出し、必要病床数を出せばよい}

・在宅医療等 2,049
 *在宅医療等で対応すべきとされている入院患者数204人(推計)を含めて算出。

















2019年11月17日日曜日

飛騨市民病院の地域医療構想 再検証に向けて(1)(国、全体の動き)

<飛騨市民病院の地域医療構想 再検証に向けて
 国、全体の動きをまとめる>{ }は意見。

2019/9/26 厚生労働省より「再編・統合」再検証が
必要として飛騨市民病院が名指しされる。
(全国では424公立・公的病院)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06959.html

2019/9/27{反発のあまりの大きさから}厚生労働省は
急性期機能やそのために必要な病床数等について再検証を
お願いするものです。必ずしも統廃合を決まるものではありません。地域医療構想調整会議の議論を活性化し、2025年のあるべき姿に向けて必要な医療機能の見直し行っていただきたい」{と、トーンダウン}。
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000552445.pdf

2019/10/4 第1回地域医療確保に関する
       国と地方の協議の場

厚生労働省「昨年度末までに行ったこと:公立・公的医療機関等に対して、民間病院では担えない役割に重点化するよう要請→現状追認のケースが多く、2025年のあるべき医療機能・病床必要量に合致していない(急性期が過剰で回復期が不足)
「 2025年見込の病床数は121.8万床となっており、2015年に比べ、3.3万床減少する見込みだが、地域医療構想における2025年の病床の必要量と比べ未だ2.7万床開きがある。(同期間に、高度急性期+急性期は4.6万床減少、慢性期は4.9万床減少の見込み)
2025年見込の高度急性期及び急性期の病床数の合計は72万床であり、地域医療構想における2025年の病床の必要量と比べ18.8万床開きがある。一方で回復期については18.3万床不足しており、「急性期」からの転換を進める必要がある」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000648340.pdf

2019/10/28 第9回経済財政諮問会議
有識者議員より「地域医療構想の実現のカギとなる、①急性期から回復期への病床転換、②官民合わせて過剰となる約 13 万床の病床削減、③介護医療院を含む介護施設、在宅医療への転換を重点的に推進すべく、対策を講じるべき」
「病床再編については、まずは地域医療の中核を担う公立・公的病院を手始めに、官民ともに着実に進めるべき。」
「病床の7割超が民間病床」
{西南戦争等で不平士族と戦った熊本、薩長が過剰(笑)
 大阪、神奈川、東京が不足だが、これまで病床不足とは聞いたことがあまり無い。2025年までに急に不足するとは思えないが?}
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1028/agenda.html

高市議員(総務大臣)「 今後の人口減少や医療費負担を踏まえ、これまで都道府県が中心となり、地域医療構想の策定や具体的対応方針の合意を進めてきた。地域の実情を踏まえながら、国と地方が共通認識を持って取組を進めるということが重要。そのため、今月の初めには、地方三団体、厚生労働省及び総務省により「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」を開催した。
地方側からも、医療費の抑制は重要であり、地域医療構想を進めていく必要性は理解しているという旨の認識が示された。今後の会議において、先ほどもお話があったが、公費負担が行われている公立・公的病院は効率的・効果的な経営に努める必要があることも十分に踏まえながら、国と地方が協力して、地域の実情も踏まえた地域医療の確保に向けた取組が更に進むよう、厚生労働省とも連携しながらしっかり取り組んでいく。」

加藤臨時議員(厚生労働大臣)「地域医療構想については、限られた医療資源をこれから先の地域における医療ニーズに対応してどう作っていくかということであるから、国が主導するということではなくて、地域が考えながら我々も一緒になって取り組んでいく、それをどう進めていくのかというのが、これからの課題であり、今回、来年9月まで、まず公的・公立病院の見直しを出していただくので、それを見ながら並行して様々な施策を組み込んでいきたい。」

安倍議長(首相)「加藤厚生労働大臣をはじめ関係閣僚におかれては、本日の有識者議員の御提案を踏まえて、年末に改定される改革工程表や来年度予算における歳出の目安の実現に向けて検討を進めていただきたい。
特に、地域の住民の方々の医療・介護サービスへのニーズを的確に反映し、持続可能で安心できる地域医療・介護体制を構築していくためには、地域医療構想を実現していくことが不可欠。加藤厚生労働大臣におかれては、関係閣僚と連携しながら地域医療構想の着実な実現に取り組んでいただきたい。」
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1028/gijiyoushi.pdf

2019/11/12 第2回地域医療確保に関する
       国と地方の協議の場
全国知事会「地域における議論を進めるためには、当然ながら公立・公的病院のみならず民間病院も含めた病院全体のデータが必要不可欠であるが、その分析方法については、地域の実態を十分に踏まえたものでなければならない。しかしながら、厚生労働省がまだこうした基礎的な情報の開示を行わないため、地域の実情を踏まえた協議を行い関係者間の合意を得るための十分な時間を確保できる状態になく、このままでは厚生労働省が一方的に設定した期限に間に合うことは困難な情勢となっている。」
{飛騨には大きな民間病院が少ないため支障ないか?}













http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/kuni_chihou/191112.html

{要は、①急性期から回復期への病床転換、②過剰病床削減、③介護医療院を含む介護施設への転換。だが厚生労働省の言っている「過剰」の検証が必要}